一時見られた小規模な盛り上がりの経過後には、モバイル検索画面でも見ることが珍しくなりすっかり衰退しきってしまった感が否めないAMP対応のWebページ。
今では希少な存在でもあるこのAMPページをあえてサイト内に作成してみたのが当ページです。
AMPとは、モバイル端末でWebページを高速表示させることを目的に開発されたフレームワークで「Accelerated Mobile Pages」を略して名付けられた用語です。
AMPページの作成には、従来Webページで使われていたHTMLとは異なった記述であるAMPHTMLを用いる必要があります。
一般的な運用の仕方としては従来のHTMLコンテンツは残したまま、モバイル表示用にページごとに別途AMPページを設ける方法を取ることになり、これが先々までデメリットの一つとして引きずられたという印象を感じます。
過去の情報をたどるとAMPは2017年頃から利用が推奨されはじめ、2021年には逆にAMP離れが目立つようになってきました。
大手の海外メディアがAMP対応を止め、日本でもアメブロなんかが早々にAMPを停止していました。
このころ、GoogleのAMP優遇終了(検索結果へのAMPバッヂ表示を取りやめた)なんてニュースもメディアをにぎわせていました。
AMPをやめてもSEOに影響はなかったなんて記事を多く見かけもしましたが、その真相は分かりませんがサイトの運営者がAMP対応の難易度に嫌気をさしたのは当時の情報から感じ取れていました。
GoogleがAMPを推奨していたころ、AMPの導入によりモバイルでページの表示速度が上がり(端末での読み込みが早い)、その結果検索流入から訪れた閲覧ユーザーの離脱を防ぐことができると言われていました。
当時は、今では当たり前であるモバイルファーストという用語も盛んに叫ばれ、他にもAMPのメリットとして次のようなことが上げられていました。
WebページをAMP化することの最大のメリットはモバイル端末での高速読み込みによるユーザーエクスペリエンスの向上です。
また、検索結果によるAMPページの表示は基本的にGoogleのAMPキャッシュ(AMP用のCDN)から配信されるのでモバイル検索を想定した場合に限ってはサイト運営に使用しているサーバーのスペックが問題になりません。
ただし、サイトの表示速度が重視されるのはモバイル検索だけにとどまらなかったことから、高速サーバーの利用がAMP化より重要視されることになったとも言えそうです。
表示の高速化が主な目的だったAMP対応が過渡期に差し掛かったころ、AMPに対してネガティブな評価が寄せられることになります。
主に取り上げられたAMPのデメリットは、javascriptが使えない、デザインに制約がある、元の標準ページと合わせて管理をしなければならず開発に手間がかかるなどです。
このうち、実際にAMPページを運用して感じたのはjavascriptが使えないことに関しては、使わなくてもなんとかなるもんだということ。
デザインに制約があることは、通常のHTMLでもページの高速化を考えればデザイン性が損なわれるのは同じことで、当時言われ始めたコンテンツ重視のSEOを追求した場合にはなおさらページ内のテキストや画像の有益性が大枠のデザインより重要だったはずです。
要するにユーザーの満足度は求めていた情報の充実度によるのでデザインはその次と考えれば、AMPページに限ってならそれほどデザインの充実を求めなくても良かったのではというのが素直な感想になります。
ただし、コンテンツの管理を外部から受注し業務を請け負っている組織では発注者がデザインに納得しないというのはありえたことでしょう。
開発に手間がかかるとう点では、WordPressに関して言えばプラグインに頼ってしまえば良いだけのことかと思いますが、問題は開発よりも運用を始めてからもSearchConsoleで想定外のエラーが出まくるのには手をこまねきました。
また、技術的な知識に乏しくエンジニアに頼れる環境にない運営者が、コンテンツの充実に集中したい時にこの手のエラーに直面するとサイト運営が捗らずに滞ってしまう原因になります。
そして、様々なデメリットがあるなかで追い打ちをかけたのがGoogleAnalytics4がUAの使用期限の土壇場まで対応しなかったことではないでしょうか。
私が、当サイトのAMP対応を止めたのもGA4のAMP対応が遅れたことが1番の理由でした。
その後AMP対応を止めてからはAMPについて特に気を使うこともなくプラグインも削除してしまいましたが特に不都合を感じることはありません。
そしてGA4がAMPを正式にサポートしたことをだいぶ後になって知ることになります。
最終的にGA4はAMPをサポートしないものと見越していたので、最終的に公式な手段でAMPページでもアナリティクスのデータが取得できるとなると、気になるのは今後のAMPページの価値です。
AMPページはこのまま衰退してしまうのか、それともモバイル検索ではわずかでも優位性があるのか、もうしばらく見守ってみたい気持ちを込めてこのページを公開することにしました。
サイト内で唯一新規に作成されたAMPページ。はたしてAMPキャッシュは有効になるのか?その辺も含めて様子を見ていくことにします。
AMP関連の記事
プラグインを使ったAMPページでFontAwesomeを表示させる【WordPressでアイコンフォント】
Webページのファイル更新日を構造化データへ自動で反映させる