数年にわたり使い続けてきたサブディレクトリでのコンテンツ(ブログ)運営をやめることに決断しました。
期間にして約7年ほど主ドメインの配下にあるディレクトリにWordPressをインストールして使ってきましたが、その構成を改めドメイン直下に静的ページと混在させる形で使う方向で運用スタイルを変更しています。
サブディレクトリでの運用が厄介な事情
サブディレクトリを使ったWordPressによるコンテンツ運営を止めることにした理由には次のようなことがあげられます。
- 検索結果に表示されるサイトタイトルにメインサイトのタイトルが使われることがある
- 公開URLにディレクトリ名が表示されるのが気になる
- 同じテーマを扱うコンテンツとしてメインサイトとの関連付けが難しい
検索結果へ表示されるサイトタイトル
最初にあげた検索結果に表示されるサイト名にメインサイトのものが使われてしまうことについては、サブディレクトリ側のサイト名も前半の一部を統一したものにするなど対策が必要かと思われます。
もともとブランディングを目的としたサイトでなければ、検索結果の一覧にメインサイトのサイト名をその都度表示してしまうのはユーザーを混乱させることになるのではと心配になります。
技術的な施策で回避が可能なのかもしれませんが、この部分については一般のWebメディア運営に必要な作業の範囲から大きく逸れるような気がしてなりません。
本来、Webページの作成と公開はコンテンツに盛り込む内容やデザインを優先するのが一般的。検索エンジンへ表示されるテキスト文はシステム次第でそれをどうにか操作しなければならないのは余計な手間になってしまうでしょう。
URLに表示されるディレクトリ名
サブディレクトリにWordPressをインストールしてサイト運営をするとき、よく使われるディレクトリ名にwpやblogなどというものがあります。
1つ目にあげたメインのサイト名が検索結果に表示されることを前提にすれば、サブディレクトリで運用するブログ名だけを特別なものにする必要はなく、それに影響してディレクトリ名もそれなりのものを使ってしまいががち。
そんな理由で付けたディレクトリ名も、長年運用していくなかでは単純にwpやblogという文字がURLに入ってくるのが人によっては気になると思われます。
そうはいっても、メインサイトとの関連性は維持しつつこのディレクトリ名だけを特別格好良いものにしたいというのもなかなかな課題ではないでしょうか。
メインサイトとの関連づけが難しい
3つ目のメインサイトとの関連づけについてですが、例えば「桃太郎と仲間たち」というメインサイトの下位ディレクトリに「桃太郎仲間ブログ」というWordPressサイトをコンテンツボリュームアップのために開設したとします。
メインサイトの「桃太郎と仲間たち」では、鬼の征伐に加わる犬、猿、キジについてそれぞれ詳しく解説することにします。
一方、主サイトに付加したブログ「桃太郎仲間ブログ」でも「犬、猿、キジ」についてはコンテンツを充実させるためには重要な要素である程度の情報を盛り込むことになるでしょう。
ここで、どちらでも主要メンバーになる「犬、猿、キジ」について。メインサイトのページとブログのカテゴリーページのトップで内容に重複が避けられません
対策として、canonicalタグを用いるなどが必要になってきますが、ブログに使ってるCMS側でSEO対策としても同じページにcanonicalタグを重ねて使いたいとなると整理が煩雑になります。
一般的なサイト運営ではcanonicalタグが頻繁に使われることはないと思いますが、この例えのようなケースではメインとブログで犬、猿、キジについて3ページずつ計6ページあるのはサイト設計上好ましいとは言えず「メインサイトが要らない」という本末転倒な話になりかねません。
特にこういう問題が生じやすいのは、メインサイトは独自のデザインを用いた静的ページで構成したい。ただしコンテンツ内の情報量を増やすために定期の情報配信はWordPressなどのCMSを使いたいといったケースでしょう。
サブディレクトリを使うなら、サイト設計の段階でこの辺の構成をしっかり整理しておかないと、あとあと面倒になることが予想されます。
面倒な構成を使い続けた理由
ここまで説明してきて分かるとおり、私自身は以前からサブディレクトリを使ったサイト運営というのを扱いやすいとは感じていませんでした。
もともとは、ドメインを取得してからサブドメインを使ったサイト運営も同時進行していましたが、その心地よい状態は2017年前後に話題になった常時SSL化によって変更を迫られることになりました。
当時は、Webサイトに使われるSSL証明書に無料というものがほとんどありませんでした(自分が知らなかっただけか)。
当時使っていたレンタルサーバーのサポートにいちいち確認したほどですが、サブドメインには別途サブドメン用のSSL証明書が必要との話でこれが穏やかではないぞとの判断からサブドメインで運用していたサイトを3つ(うち一つは当サイト)ほどサブディレクトリに移した経過があります。
そこであらためて実感させられたのが上に書いた3つの事情(理由)というわになります。
また、当然ですがサブディレクトリが全く悪いものってわけでもなく、サーバーによってはサブドメインを使うための設定や管理が面倒なので、その辺の手間を省く意味では便利だとも言えます。
以前に事業用で使っていた大手通信会社のサーバーではサブドメインの利用そのものが設定されていないものがありました(wwwだけは使えた)。
そんな状況の中で、メインのブログはこれまでの運用歴の多くをサブディレクトリで過ごしてきています。
一時期はサブディレクトリの利用を一切止めようとメインのブログを一時的にサブドメンに移したことがありましたが、残したメインサイトだけでは情報量が貧相だったこともあり直ぐに戻したというお粗末な経緯もあります。
サブディレクトリの将来性
Webサイトの運営にサブディレクトリを使うことのメリットと言えばサーバーの設定のしやすさと扱い安さでしょう。
ネット上では、主ドメインの評価を利用する目的で使われる「ドメイン貸し」などという言葉がありますが、SEOに固執する一部の方たちの間で使われる用語と認識して良さそうです。
そもそも、ドキュメントルート内にあるディレクトリを「サブディレクトリ」と呼ぶのもWordPressなどCMSに特化した職業の方たちの間で多く用いられる単語だとも言えます。
昨今よく耳にするようになった、この「ドメイン貸し」などではサブドメインの利用が何かと話題になります。自分で運営するには何も問題はないと思いますが、実際に当事者が直接運営するものか誰かに貸しているかをどう判断し評価するのかは疑問が残るところ。
そういった意味では、サブドメンが利用できるサーバーでデータの整理が煩雑になるサブディレクトリをわざわざ利用する理由はないかもしれません。
公開目的のWebデータをスマートに管理するという意味でもセンスに欠けるというか少なくとも今の時代にはマッチしておらず当分の間は傾向を伺う必要があるでしょう。
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